鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館

冬季休館中| CLOSE

2024.3.28(木)

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Tashima Seizo Picture book field

絵本のはらっぱ

とわちゃんとシナイモツゴのトトくん

とわちゃんが池で見つけた小さな魚は、「ぜつめつきぐしゅ」の珍しい魚でした。とわちゃんとシナイモツゴの出会いと、真冬の池の中でみた、シナイモツゴのゆめ。魚の目から見た池の中や川のながれと、その外に生きる「にんげん」の女の子。あたらしい切り口で「いのちのケハイ」を描く田島征三の最新作!

出版社
ひだまり舎
作者
田島征三
発行年
2021年
価格
1,650円(税込)

この絵本は、絵本と木の実の美術館の野外にあるビオトープエリアが舞台になっています。2014年に休耕田を活用してビオトープ(生きものの棲み処)を造りました。“全ての生きものが喜んで暮らす美術館”という田島征三の理念を実現するため、たくさんの方の協力のもと、豊かな場所づくりを続けてきました。2022年に開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」では、田島征三の鉄を使った新作品がビオトープエリアで展開されます。ヤギの親子・ビオトープの生きものたち、田んぼの稲、田島征三のアートが一体となり、“外の空間絵本”がついに表現されます。

絵本に登場する絶滅危惧種の淡水魚「シナイモツゴ」は、2018年に行った集落内のため池調査で出会いました。2019年には、シナイモツゴが暮らしていたため池が土壌整備工事のために無くなってしまうことが分かり、美術館のビオトープに保護しました。今では毎年繁殖し、ビオトープでのびのびと暮らしています。

水中の豊かな世界、魚から見る外の世界、棲み処を奪われた先祖を想うトトくんの心情、1冊の絵本からさまざまなことが読み取れる作品です。

絵本と木の実の美術館YouTubeチャンネルで、登場人物のとわちゃんが朗読を披露しています。ぜひ、ご覧ください。
≫朗読『とわちゃんとシナイモツゴのトトくん』を観る

田島征三と、ビオトープの生物調査に関わっていただいている専門家・寺田浩之さんのオンライントークもご覧いただけます。
≫オンライントーク「飛び出した!空間絵本~いのちのケハイ~」


シナイモツゴや多様な生物が暮らす、ビオトープエリア(小川・田んぼ・池)


シナイモツゴ(ひゅんひゅん!っと池の中層を泳いでいます。)

<寄せられた声>
魚から見た、人間の世界、池の水中に住む他の生き物のことが描かれています。環境保護活動をするお母さんの行動がさり気なくかかれていたり、おたまじゃくしやヤゴが陸の世界に旅立つ姿にあごがれる幼い魚の気持ち、それを思いやる少女トワちゃんの姿が躍動感を持って描かれています。普段はついつい魚を食べ物として見ている私ですが、魚も私たち地球丸にすむ愛おしい仲間なんだ、と思い出して、優しい気持ちになりました。
-東京都 Nさん

 

【関連する絵本】

▼絵本と木の実の美術館の空間絵本と連動する絵本
≫『学校はカラッポにならない』

▼水生生物がたくさん登場する絵本
≫『ぼく、おたまじゃくし?』

 

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