ふきまんぶく
ある夏の夜、山に落ちた星をひろいにふきちゃんは出かけた。自然の営みは、子どもの心に映ると、一つの物語のように動き出します。植物の声がきこえてくる絵本です。
- 出版社
- 偕成社
- 作者
- 文と絵 田島 征三
- 発行年
- 1973年
- 価格
- 1,760円(税込)
田島征三が選んだ自給自足の生活の拠点となった旧日の出村(東京都西多摩郡)。豊かな里山の情景が絵本として表現された一冊です。ふきちゃんという主人公は、当時実在した近所の女の子がモデルになっています。毎日畑を耕し、植物の表情や日々の変化を全身で感じる生活から描かれる植物などのモチーフは、まるで声を発しているかのように生き生きと描かれています。ふきまんぶくの「まんぶく」はまんじゅうのことで、春に目を出す「ふきのとう」がふっくらとまるくてまんじゅうのようで、そう呼ばれたそうです。土と触れる生活の中で描かれたからこそ、生み出された絵本です。