花じんま
「かれきにはなをさかせましょう~!」でお馴染みの民話「はなさかじいさん」を土佐弁で再話した、田島征三の「花じんま」。
- 出版社
- 福音館書店
- 作者
- 再話・絵 田島 征三
- 発行年
- 2013年
- 価格
- 1,430円(税込)
「じんま」は「じいさん」のこと。
ひとのいいじんまと、いじくそのわりいじんま、それに「しろ」という白い犬が登場します。ひとのいいじんまの幸せを横取りしようとする、いじくそのわりいじんま。しろの「ここほれわんわん」というくだりは、とても有名です。小判がどっさりでてくるストーリーもありますが、田島征三はくしやかんざしとして描いています。いじくそのわりいじんまにしろが殺されてしまい、お墓から生えた太い木から作った杵(きね)と臼(臼)も燃やされてしまいます。
「木に花を咲かせるときにまいているものは?」
これは、しろの魂が宿った、いじくそのわりいじんまに燃やされてしまった松の木の「灰」だったんですね。
ひとのいいじんまが村中の枯木に花を咲かせると、花の後に果実が実りお話が終わります。
「めでたし めでたし」は、「よかったちや よかったちや」
と表現されています。
田島征三は幼少期に高知県で過ごし、今でもぽろりと土佐弁が会話の中で出てきます。高知県で過ごした記憶は、田島征三の創作の源となり今でも作品の底流を流れています。
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