絵本と木の実の美術館創立10周年記念企画展 「マオシャン・コニーは、ここからはじまった」
2019.04.27 - 2019.09.16
今年で創立10周年を迎える絵本と木の実の美術館とコニーの10年の軌跡をたどる展覧会です。
10年前の夏、コニーは絵本と木の実の美術館の立上げ制作で田島征三に出会い、後の制作に影響を受けました。自然や動物の保護活動を行う香港の絵本作家マオシャン・コニーの絵本原画や、鉢集落の風景と人々を描いた作品を展開します。
鉢集落のことを描く度に、ここはなんと緑豊かで美しいボウル=鉢なのだろうと気づかされます。
こちらでの生活はシンプルで気取らないのに、たくさんのポジティブなエネルギーと刺激に溢れています。このような美しい場所が世界のかたすみに隠れているなんて不思議でなりません。
私は鉢地域での作品制作を通じて、アートとはみなさんと分かち合い親しみをもって接してもらうものなのだと学びました。そして人々の心を動かす作品とは必ずしも高価なものではないということです。私は10年前の大地の芸術祭の際、こへび隊として初めて鉢を訪れました。芸術祭を巡っていたとき、とある作品が1999年にこへび隊として来ていたアーティストが作った作品だと知りました。その時私は頭のどこかで彼女のように10年後にアーティストとしてここへ戻って来たいと思ったのを覚えています。まさかそれが現実になるとは本当に信じられません!10年という時を経て私をまたこの地に招待してくれたこと、そしてそれまでの間ずっと私の活力と想像力を掻き立ててくれたこと、絵本と木の実の美術館には本当に貴重な機会をいただきました。
鉢集落と絵本と木の実の美術館での経験は私の心の中のとても大事な一部です。この場所は私が絵本作家としての夢を確信に変えた場所でもあります。人と違う道を歩むのは簡単なことではありません、しかしここで出会った優しい創造力豊かな人々はみな本当に素敵で自分の夢を諦めない強さを私に教えてくれました。
私はお話しが大好きです。そして特別な出会いの記録はすべて地図に描き残しています。それはただの地図ではなく、その場所で時間とともに受け継がれてきた美しいストーリーたちを収集したものであり、この展示に関わってくれた人々への私からのささやかな贈り物なのです。
マオシャン・コニー Maoshan Connie
1987年香港生まれ。様々な国で幼少期を過ごしケンブリッジ大学で、児童文学の修士号を取得。2009年大地の芸術祭アートトリエンナーレに香港からこへび隊として参加し、絵本と木の実の美術館の立ち上げの制作に参加。後に、香港で絵本作家として活躍し現在に至る。