大地の芸術祭プレエキシビジョン展「少年からみた魚と、魚からみた少女」夏秋版
大地の芸術祭プレエキシビジョン展「少年からみた魚と、魚からみた少女」夏秋版
Special exhibition "A fish seen by a boy and a girl seen by a fish" Summer / Autumn version
2021.07.22 - 2021.11.29
春に展開した2つの絵本の世界と共に、7月に出版された絵本『とわちゃんとシナイモツゴのトトくん』の原画と、芸術祭で展開される鉄作品2点も先行公開します。
大地の芸術祭が楽しみになる展覧会
春に展開した2つの絵本『つかまえた』『とわちゃんとシナイモツゴのトトくん』。夏秋版では、ついに7月に出版された『とわちゃんとシナイモツゴのトトくん』の原画を公開します。加えて、次の「大地の芸術祭」向けて制作中の大型作品を2点公開します。
「いのちのケハイを感じられる空間絵本」の誕生に向けて歩みを止めない田島征三の新たな挑戦をご覧ください。
絵本『とわちゃんとシナイモツゴ』(2021年7月 ひだまり舎)
真冬の池の中で見た、シナイモツゴの夢。魚の目から見た池の中や川の流れと、その外に生きる「にんげん」の女の子。新しい切り口で「いのちのケハイ」を描く、田島征三の最新作!
絵本『つかまえた』(2020年 偕成社)
夏のある日、川の浅瀬に大きな魚がいるのを見つけた。水の中で懸命にのばした指が魚にふれると、ぼくは無我夢中でそれをつかまえた。幼少期の実体験を元に描かれ、2020年に話題となった一冊。
『とわちゃんとシナイモツゴのトトくん』原画が登場
春には習作のみを展示しましたが、夏秋版では原画を公開します。印象的なページの原画があるかもしれませんね!
鉄作品2点先行公開
次の大地の芸術祭でビオトープエリアに設置される大型作品4点。この夏、2点を先行公開します。現在は塗装前の段階で無色ですが、外に設置されるときには何色に返信するのでしょうか。今の状態を観られるのも貴重です。
作品「田に咲く花」 高さ3メートル 幅5メートル
作品「冬の話をする木」 高さ3メートル 幅2メートル
田島征三は宙に舞うような鉄作品を目指し、壮大な鉄作品に挑んでいます。鉄の加工では、大地の芸術祭の作品「脱皮する家」でお馴染みの作家・鞍掛純一さん(日本大学芸術学部教授)が全面協力してくださり、大学のアトリエで残る2点の制作が進んでいます。
絵本の舞台となったビオトープをぜひ巡ってください
2014年夏、休耕田に泥んこになって作ったビオトープ。池の中央には集落の男性たちが集めた丸太が土台になった、8の字型の「鉢の島」が浮かびます。小川を通る山の地下水は、ビオトープの池に流れ込み、田んぼをめぐって谷の下を通る鉢沢川へ流れています。
生活や農業の近代化により一度姿を消した生きものたちが、このビオトープに少しづつ帰って来ています。種類は年々増え、今では絶滅危惧種の水生生物も生息するようになりました。定期的な生きものの観察会に加え、専門家による水質調査や集落内の生物調査も継続中です。里山の豊かさや、守るべき生きものたちのことを、田島征三のアート作品として絵本と木の実の美術館から発信していきます。
Photo by Nakamura Osamu
田島征三の本を、カエルや鳥の声を聴きながら読む
田島征三の絵本をゆっくり読むことができる、くさむらの本棚ある「くさむらの部屋」。
Photo by Akimoto Shigeru
田島征三 Tashima Seizo
1940年大阪府生まれ。幼少期を高知県で過ごす。2009年「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」を開館。1969年『ちからたろう』でブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)金のりんご賞受賞を皮切りに、講談社出版文化賞、小学館絵画賞、絵本にっぽん賞、日本絵本賞、巖谷小波賞など受賞多数。2020年国際アンデルセン賞最終候補に選ばれた。