鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館

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Tashima Seizo Picture book field

絵本のはらっぱ

花ばあば

国境を越えて痛みを分かち合うためにー 日本軍「慰安婦」にされた花ばあばの物語

出版社
ころから
作者
絵/文 クォン・ユンドク
発行年
2018年
価格
1,980円(税込)
その他
訳 桑畑優香

2018年の春、絵本と木の実の美術館のカフェでささやかなパーティーが開かれました。絵本『花ばあば』の作者クォン・ユンドクさんをお迎えし出版を祝いました。鉢集落のおばあちゃんや関係者が集まり、笑いあり涙ありの時間になりました。

絵本『花ばあば』は、元従軍慰安婦のジム・ダリョンさんの証言を元に描かれた記録。田島征三が参加した日・中・韓平和絵本の作品の一つとして描かれました。他の作品が次々に出版される中、この作品だけが日本で出版されませんでした。2010年に韓国で出版されてから8年後、ついに日本での出版が叶いました。平和絵本のメンバー田島征三、浜田桂子らが新たな出版先を探し、「ころから」という小さな出版社の協力のもと、クラウド・ファンディングの資金支援を募り実現しました。

 


2018年の出版記念パーティーの様子

クォン・ユンドクさんより
2010年に韓国で本書が出版されてから8年が経ちました。この間ずっと、日本の絵本作家、市民活動家、児童文学者、そして平和を愛する多くの市民たちが、この本が日本で出版されることを願い努力を続けてきました。「慰安婦」は特別な人ではなく、どこにでもいる普通のおばあさんであり、彼女たちの経験は過去の出来事ではなく、またいつでも起きうることです。この本の出版は平和と人権という普遍的な価値がより大きな力を得るきっかけになると信じています。-絵本『花ばあば』あとがきより

田島征三は、全国の図書館にこの絵本を置いてほしいと訴えています。2018年の「大地の芸術祭」開催期間中、連日のようにギャラリートークを行い、自分の作品のことでなく、この『花ばあば』のことを叫び続けました。

絵本『花ばあば』は、以下からオンライン購入も可能です。
≫ころからHP
絵本作家クォン・ユンドクと『花ばあば』の物語
≫ドキュメンタリー映画「わたしが描きたいこと」

【関連する作品】
▼日・中・韓平和絵本シリーズ
『ぼくのこえがきこえますか』

クォン・ユンドク

1960年韓国京畿道生まれ。美術を通して社会運動に参加していた1995年に初めての絵本『マンヒのいえ』を出版し絵本作家の道に進む。1998年から山水画、工筆画、仏画を学び、伝統美術の美しさを絵本に再現することを得意とする。勧告を代表する絵本作家で、主な作品に『しろいはうさぎ』(福音館書店)や韓国済州島4・3事件をテーマにした『木のはんこ』(未訳)などがある。

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